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2022.06.15サイエンス

乳酸菌A221 株の植物成分代謝について発表

乳酸菌A221 株の植物成分代謝について
第76 回 日本栄養・食糧学会大会にて発表

株式会社ナガセビューティケァ(本社 東京都中央区、代表取締役社長 千葉敏英)は、植物由来乳酸菌Lacticaseibacillus paracasei (※1) A221株に関し、ゴマリグナン配糖体に対し高い代謝能を有することを見出しました。この研究成果を、第76回日本栄養・食糧学会大会(武庫川女子大学 2022年6月12日)において発表しました。
(※1) Lacticaseibacillus paracaseiの旧分類名はLactobacillus paracasei

発表タイトル
Lacticaseibacillus paracasei A221株によるポリフェノール配糖体の代謝特性

【研究背景】

古くから野菜や果物の摂取は健康の増進、維持に有用であると知られており、その有効成分としてポリフェノールが注目され、研究が盛んに行われています。植物中の多くのポリフェノールは、糖がグリコシド結合した配糖体として存在しています。一方で、ポリフェノール配糖体の中には、糖が外れた状態(アグリコン)において生理活性や体内吸収性が高まるものがあり、難分解性の配糖体を予めアグリコンへ代謝する試みが進められています(1)。 私たちはこれまでに、乳酸菌L. paracasei A221株(以下A221株)の特徴やA221株によるアブラナ科野菜の代謝物の生理活性について発表しています(※2)。 今回新たに、ゴマに含まれるゴマリグナン配糖体に対する代謝活性について確認し、A221株に高い代謝活性を見出しましたので、本学会にて発表しました。
(※2)  日本農芸化学会(2014年度大会) 植物中に含まれる配糖体に対するLactobacillus paracasei A221株の影響
日本農芸化学会(2014年度大会) Lactobacillus paracasei A221株が「ケール」の表皮バリア増強作用に与える影響

【学会発表内容】

①A221株によるゴマリグナン配糖体の代謝活性について
ゴマに含まれるゴマリグナンには肝臓保護作用、コレステロール吸収阻害、高血圧予防など数多くの効果が知られています(2)(3)(4)。ゴマリグナンの1つであるセサミノール(SML)は強い抗酸化活性があり、抗酸化活性と関連した生理活性が示されています(5)。一方、SMLは配糖体のセサミノールトリグルコシド(STG)としてゴマ中に存在しており、その構造では抗酸化作用を発揮しません。STGはβ-1,2グリコシド結合とβ-1,6グリコシド結合をもち、分解が困難であると考えられています。そこで、A221株と2種の乳酸菌(L. casei 15883(以下15883株)、L. paracasei 15889 (以下15889株) )を用いて、STGを代謝するかどうか高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて評価しました。

②A221株によるゴマ搾り粕代謝試験
STGはゴマ油を製造する過程で、副産物として発生するゴマ搾り粕中に豊富に含まれています。そこでA221株と2種類の乳酸菌によるゴマ搾り粕の代謝能を評価しました。

【まとめ】

乳酸菌A221株は他の乳酸菌と比較して、ゴマに含まれる配糖体のSTGをSMLに代謝することに優れた乳酸菌であることが明らかになりました。ゴマ搾り粕は本来廃棄物や肥料として取り扱われていますが、ゴマ搾り粕から抗酸化作用が高いSMLを生成することが可能になれば、未利用資源に付加価値をつけることができると考えられます。今後も引き続き、A221株の代謝特性を活かした研究に取り組んでまいります。

お問い合わせにつきましては、pr@nagase.co.jp まで
メールにてご連絡をいただきますよう、お願い申し上げます。
株式会社ナガセビューティケァ 広報担当 中澤

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